その時は、冒険の始まりにふさわしい王道の旅路が私を待っていた。
あの時は、強力な武器を序盤で手にして驚くほど順調に進めた。
けれど次の時は、装備も金もなく、ただ必死に生き延びるしかない過酷な旅だった。
『Splintered』は『ドラゴンクエストI』を思わせる懐かしいドット世界で、ランダマイザーが無数の”あなただけの物語”を描き出すRPGです。
| 目次 |
|---|
| 『Splintered』はどんなゲーム? 懐かしさとランダム性が融合したドット絵RPG |
| 『Splintered』の世界観とストーリー |
| 王道と独自性が交差する『Splintered』のゲームシステム |
| 『Splintered』レビュー感想:懐かしさとランダム性の魔力 |
| 開発者インタビュー:Richard Murtland氏が語る『Splintered』の魅力 |
| 『Splintered』の魅力を振り返って |
『Splintered』はどんなゲーム? 懐かしさとランダム性が融合したドット絵RPG
ゲームタイトル:Splintered
ジャンル:ランダマイザーRPG
開発・販売:DotMake Studios
プラットフォーム:Steam
対応言語:日本語、英語
価格:1,200円
※デモ版あり、早期アクセス中。
『Splintered』は、王道RPGとして始まりながら、やがて異色の姿を見せる作品だ。
黒幕は敗北のたびに世界を“Splintering(分断)”し、地形やアイテムの位置、敵の配置や主人公の能力までもがランダムに再編成される。
プレイヤーは変わり続ける世界を攻略し、真実へと迫っていく。
『Splintered』の世界観とストーリー

物語は、竜の母「ドレスカ」に王国が敗北した直後から始まります。
主人公の父は、王国最強と目される伝説の剣士「リュドリエル」。
しかし王国の盟友であった「バルガス将軍」と「ハリファクス将軍」が裏切り、リュドリエルから剣と鎧を奪い去ります。装備を失った伝説の騎士に抗う術はなく、王は殺され、王国の秘宝までも奪われてしまいました。
主人公は父の命を受け、秘宝を取り戻すために旅立ちます。王国の命運を背負い、裏切りと混沌の中で新たな物語が幕を開けるのです。
ファミコン時代のRPGをリスペクトした本作。
グラフィックはすべて懐かしい雰囲気の「ピクセルアート」で描かれています。バレット数やピクセル数といった制約も、当時の記憶を呼び覚ますように調整されており、逆に初めて触れる新しいプレイヤーには新鮮に映ることでしょう。
また、グラフィックの雰囲気は往年の名作『ドラゴンクエストI』を思わせ、画面構成や効果音などもどこか懐かしさを呼び起こすつくりになっています。
本記事を読まれている方の中にも、そんな“あの頃”を思い出す懐かしさに惹かれている人は多いのではないでしょうか。
王道と独自性が交差する『Splintered』のゲームシステム

本作の基本は、王道のRPG。
町で武器やアイテムを整え、ダンジョンを探索し、重要なアイテムを集めて敵の居城を目指します。戦闘はオーソドックスなターン制で、「こうげき」「じゅもん」「どうぐ」を駆使してモンスターと渡り合う仕組みです。
そんな中で『Splintered』を特徴づける要素の一つが「わざ」。

武器や防具には固有の「わざ」が設定されており、装備品のレベルアップによって解放されます。パラディン、とうぞく、まほうつかい、りゅうきし……といった多彩な職業のわざを使用でき、ベーシックで扱いやすいものからトリッキーな性能のものまで、自分の戦略に合わせて組み合わせられます。
もう一つのカスタマイズ要素が「さいのう」。いわゆるパッシブスキルです。

これは特定のモンスターの組み合わせを討伐することでアンロックされる仕組みです。たとえば、騎士系モンスターを2種類討伐すると新たな「さいのう」を覚えられる、といった具合です。ドラゴン族を特定の3種類討伐すれば「ほのおのブレス」への耐性が得られるなど、多彩な効果が用意されています。
初期状態では「さいのう」を2つしか装備できませんが、イベントをこなすことで装備枠が増加。自分好みにキャラクターを育てていく楽しみが広がっていきます。
そして本作の最大の特徴が「ランダマイザー」(ランダム化システム)です。

マップ、出現モンスター、宝箱の中身、さらにはステータスまで——ランダムに変化する要素は多岐にわたります。
第一章(=最初の周回)はチュートリアルにあたる章で、流れは王道RPGそのものです。レベルを上げ、お金を貯め、装備を整えながら進む安心の冒険が体験できます。
真価を発揮するのは第二章から。
宝箱の中身からフィールドマップまですべてがランダム化され、最初の宝箱から思いもよらぬ強力なアイテムが飛び出すこともあれば、やくそうしか出ない試練の旅になることもあります。——まさに「運命そのものが揺さぶられる冒険」。ここからプレイヤーはランダマイザーの魅力の虜になるはず。
さらに第三章では「A」「B」に分岐し、新しい職業の装備や“わざ”が追加。戦術の幅が広がり、奥深い戦闘を楽しめるようになります。現在のアーリーアクセス版では、この第3章Bまでがプレイ可能です。
そして物語。システムが話題になりがちな本作ですが、実は心をガッチリと掴んでくるストーリーが大きな魅力のひとつ。

第一章から少しずつ「何かがおかしい」と感じさせる仕掛けが散りばめられ、謎が積み重なっていきます。詳細はネタバレになるので控えますが、ミステリアスな展開がプレイヤーを待ち受けています。今後の第4章、第5章の配信が大いに期待されます。
プレイモードは、メインストーリーのほかに、「エドマの試練」といった特殊なルールが追加されたこだわりのモードも用意されています。「各ターンの結果を事前に知ることができる」、「戦闘がオートになる」など、全く違った遊び方をすることができます。
早期アクセス中でありながら、腰を据えて遊べる充実ぶりは頼もしい限りです。
『Splintered』レビュー感想:懐かしさとランダム性の魔力

もともとレトロRPGが好きなのもあってプレイした本作。
『ドラゴンクエストI』にインスパイアされたといわれる本作ですが、登場するキャラクターのデザインは当然ながらまったく異なります。
特にモンスターのデザインはクールなものが多く、その魅力に取りつかれてしまいました。私が一番好きなモンスターは「こころなききし」系統。日本のRPGにはない、海外RPGならではのかっこよさがあるんですよね!

そして、いわゆる「スライム」的な立ち位置のモンスターも存在します。それが「ドラコダックのひな」。ダメージは1しか与えられないけれど、HPが少なくて経験値を多くくれるタイプや、お金をたくさん落とすタイプなど、色違いのバリエーションがあります。ドラゴンクエストをプレイしたことがある方なら、きっとニヤリとしてしまうはずです。
第一章は、前述したとおり王道RPGの雰囲気で、『Splintered』の基本ルールを学ぶ章。ランダム要素は現時点ではなく、レベル上げやお金稼ぎをしながら、じっくりと駒を進めていく安定の楽しさがあります。
そして本番は第二章から。ほぼすべてがランダムに変化します。
一番衝撃的だったのは、序盤のダンジョンの宝箱から最強の剣が出てきたこと。この興奮はきっと忘れられないでしょう……!
正直に言います。第一章を終えた時点では「また最初からやるのか……」と少し気が重かったのですが、第二章序盤で急に最強の剣を手に入れ、このゲームの本当の楽しさを知ってしまいました。そこからは時間を忘れて夢中でプレイ。章を進めるごとに謎が増していくストーリーも相まって、一気に第三章Bまでクリアしてしまい、現在、その熱にほだされて記事を書いているというわけです。
- 中盤のダンジョンで、最強クラスの敵にほぼ一撃でやられる。
- なぜか複数の町が同じ場所に集結している。
- 超重要アイテムが町の宝箱に入っている。
- 「バルガス将軍」がやくそうをしっかりと握りしめている。
プレイを重ねるごとに、このゲームのランダム性にどんどん魅了されていくはず。ある意味、魔性のRPGと呼んでもいいかもしれません。

『ドラゴンクエストI』にインスパイアされた作品として話題の本作ですが、実際にプレイして感じたのは、JRPGらしい良さだけではありません。いわゆる「洋ゲー」のカッコよさをもしっかりと纏っているということです。
モンスターのデザインもそうですが、BGMもクールでかっこいい曲が多く、プレイ中は思わず耳を奪われました。
「ランダマイザー」が最大の特徴であることは間違いありませんが、それだけに注目するのではなく、この“洋ゲー的なかっこよさ”にもぜひ目を向けてほしい——そんなふうに個人的には思います。
開発者インタビュー:Richard Murtland氏が語る『Splintered』の魅力

プレイヤー目線ではさまざまな魅力が見えてきますが、では開発者自身は何を一番大事にしているのでしょうか。ここからは、開発者のRichard Murtland氏へのインタビューをお届けします。
Q1. Splintered のドット絵表現において、特に意識している点や挑戦している部分はありますか?
A.
私が Splintered のアートで一番重視しているのは、プレイヤーがファミコン/NES時代のゲームを遊んでいるように感じられることです。
時にはルールを曲げることもありますが、基本的にはスプライトごとの色数を制限し、元々のNESカラーパレットを守ることで、その体験を届けようとしています。
Q2. ランダマイザーによって毎回異なる冒険が生まれますが、この仕組みを通してプレイヤーにどんな体験をしてほしいですか?
A.
ランダマイザーは「物語」を生み出すのに優れていると思います(ここでいう物語とはプレイヤーの体験のことです)。
あるプレイヤーは、レベル1で強力な装備や魔法、豊富なゴールドを偶然手に入れるかもしれません。一方で、別のプレイヤーは自分のシードが最初から厳しい挑戦を突きつけてきて、必死に戦わなければならないかもしれません。
どちらの場合も、それぞれの物語は独自の展開を迎えるでしょう。前者は自信過剰になるかもしれませんし、後者は次のレベルアップや町を見つけることで活路を見いだすかもしれません。
Splintered では、ゲームの章や「エドマの試練(チャレンジモード)」を進めていくにつれて、ランダマイザーも成長し、新しいランダム要素や装備の能力、遊び方を提供します。ですので、プレイヤーのランダム体験が優しいものであっても厳しいものであっても、努力が報われることを願っています。(そして、もし望むならリロールして、自分にとって特に有利または困難なシードを見つけることもできます!)
Q3. ソロ開発として Splintered を制作する中で、最も大変だったこと、あるいはやりがいを感じたことは何でしょうか?
A.
最も大変なのは、ソロ開発者としてあらゆる役割をこなさなければならないことです。
ゲームを作る(デザイン、プログラミング、アート、音楽など)だけでなく、リリースやサポートに必要なこと(マーケティング、コミュニティ運営、バグ修正など)もすべてやらなければなりません。
しかし、それがすべて報われると感じるのは、誰かが「Splinteredを遊んで楽しかった」と言ってくれた時です!
それがランダマイザー初体験だった人でも、懐かしさを感じた人でも、その間のどんな体験であっても、誰かがこのゲームを楽しんでくれたと聞けるのは最高です。
(本当に、そうした声こそが私たちインディー開発者を支えてくれるのです!)
Richard Murtland氏、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
『Splintered』の魅力を振り返って

ファミコン時代の記憶を呼び覚ますようなドット絵の世界で、毎回違う物語が生まれていく——。
『Splintered』は、どこか懐かしく、それでいて魔性のようにプレイヤーを惹きつけるRPGです。
開発者のRichard Murtland氏は「ファミコン時代の体験を届けたい」と語り、NESの色数やパレットにまでこだわって制作しています。さらに「ランダマイザーはプレイヤー自身の物語を生み出すもの」とも述べており、その言葉どおり、一度として同じ展開のない冒険が待っています。
物語はまだ道半ば。これから第4章、第5章が配信されれば、さらに大きな展開が待ち受けていることでしょう。
あの頃を思い出したい人も、新しい挑戦を求める人も、この作品に心を奪われるはずです。
引用・参考情報について
本記事で使用したスクリーンショットおよび情報は、以下に基づいております。
スクリーンショット: 『Splintered』のゲーム内プレイ映像より取得(購入版を使用)
ゲーム仕様・特徴: 『Splintered』のSteam公式ページを参考
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本記事は『Splintered』の魅力を紹介する目的で作成されており、広告を含む収益モデルのもと運営されるサイト内コンテンツの一部です。
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ライター/ねりけし
ピクセルアート(ドット絵)ゲームプレイ歴20年以上。
Vtuberの下で2年間、動画作成とプロモーションを学ぶ。
最近インディーゲームの魅力に気付いて沼にハマる。

