『プラトニカ・スペース』。
「ANMC」プロジェクトの新作アドベンチャーゲーム。
ジャンル名は「サイコロジカル空間探索ADV」。心の奥に広がる空間を旅するような、不穏さと魅力が同居する作品だ。
TGS2025では、ホール11インディーゲームエリアの小間番号11-E73に展示。
今回は、発売前の本作を実際に試遊し、その手触りをレポートする。
取材・ライティング/ねりけし
ANMC――Kazuhide Okaが紡ぐ音楽と物語のプロジェクト

ANMC――その名を聞けば、心の奥に余韻を残すような物語を思い出す人も少なくないだろう。
「ナツノカナタ」で注目を浴びたゲームクリエイター Kazuhide Oka が、独自の世界観と音楽をひとつに束ね、物語を奏でるように紡ぎ出すプロジェクトだ。
これまでに送り出された「ムーンレスムーン」「ガールズメイドプディング」は、どちらも孤独と温もりが溶け合うような“寂しさの美しさ”を体験させてくれる作品だった。
優しくゆっくりと揺らぐ音楽と、Oka氏の描く儚さを感じる物語は、プレイすると心をゆっくり心をほぐしてくれるような感覚にしてくれる。
ANMCの作品は、「静かな夜に一人でじっくりプレイしたい」そんな風に感じさせてくれる稀有な存在だ。
そして今回の新作『プラトニカ・スペース』もまた、その系譜に連なる物語である。
『プラトニカ・スペース』はどんなゲーム?
最新作『プラトニカ・スペース』では、ANMCならではの“記憶の旅”が待っている。
その内容を見てみよう。
扉を開ければ、そこは誰かの記憶の中。
『プラトニカ・スペース』は、失われた記憶を取り戻すために無数の部屋を探索していく“サイコロジカル空間探索ADV”。
まったく見覚えのない部屋で目覚めるあなた。
”そこ”は、どこまで行っても部屋が続き、そして出口がない奇妙な空間。
その中で出会うのは、同じく記憶を失った人々。彼女たちとの交流を通して、やがてこの空間そのものが“自分たちの記憶で形作られている”ことに気づいていきます。
自分は誰なのか、なぜここにいるのか。
終わりのない部屋の迷宮で、その答えと脱出の道を探していきます。
TGS2025で遊んだ『プラトニカ・スペース』試遊レポート

まず強く印象に残ったのは音楽。
TGSの会場は常にざわめきに包まれている。多くのブースではヘッドホンをしていても人の声やBGMが気になり、どうしても落ち着いてプレイできなかった。
けれども『プラトニカ・スペース』だけは違った。
ヘッドホンをつけ独特のチルいBGMを聞いていると、外の喧騒が遠ざかり、心がすっと静まっていくのを感じた。
優しい旋律が会場のざらざらした空気を溶かし、まるで自分だけが隔離された小さな空間にいるような感覚になった。癒される、という言葉がこれほどぴったりくる体験は珍しい。
部屋が続いていく『プラトニカ・スペース』ならではの体験だろうか。
物語は、主人公が見知らぬ部屋で目を覚ます場面から始まる。


そこには、宇宙服のような装いをした少女が椅子に腰かけ、テーブルでくつろいでいた。彼女に促されるまま部屋を探索し、やがて見つけたじょうろをテーブルに置く。するとそこから“誰かの記憶”が立ち上がるように紡がれていく。
本作の特徴は、特定のアイテムを特定の場所に置くことで記憶を体験できる点にある。

一つひとつの選択が小さなきっかけとなり、少しずつ物語の輪郭が浮かび上がっていく。その積み重ねが、世界観を濃くしていくのだろう。気がつけば紡がれる言葉に心を引き込まれ、時間を忘れてのめり込んでいた。
試遊の終盤、とある出来事をきっかけに視界が突然ブラックアウトし、記憶が途切れる。そして再びループが始まったのだと気づいたところで試遊は終了。
短い体験のはずなのに、まるで長い夢を見ていたかのような余韻が残った。
発売日は未定、それでも続きが待ち遠しい理由

今回の試遊は10~15分ほど。
体験できたのは断片的な記憶と、ループの入り口だけだった。けれど、そのわずかな時間の中で感じた没入感は他のゲームでは得られないものだった。
ヘッドホン越しに流れる音楽が心を静め、アイテムを通じて“誰かの記憶”が立ち上がる。そこから物語が少しずつ形になっていく過程は、短い体験でも確かに私のこころを”現実ではない場所”に連れて行ってくれたように思えた。
これから断片の積み重ねがどんな物語を描くのか、そして終わりのない迷宮に出口は存在するのか。
続きが気になって仕方がない、そんな期待を残して試遊を終えた。
『プラトニカ・スペース』の発売日はまだ未定。
けれど、この短い試遊体験だけでも作品の独自性と可能性を強く感じさせてくれた。
いつの日か、この“理想の空間”をじっくりと探索できる日を楽しみに待ちたい。
最後に一言――ウィッシュリスト登録を強く勧めたい。
引用・参考情報について
本記事で使用したスクリーンショットおよび情報は、以下に基づいております。
- スクリーンショット・写真: TGS2025会場にて撮影した『プラトニカ・スペース』の試遊プレイおよびブース展示より取得
- ゲーム仕様・特徴: 『プラトニカ・スペース』のSteamページならびにKAMITSUBAKI STUDIO公式サイトを参考
©2025 Kazuhide Oka
©2025 KAMITSUBAKI STUDIO
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※本記事は開発中のバージョンを試遊した内容に基づいています。実際の製品版とは仕様が異なる場合があります。

