「団地」って、なんだか懐かしい響きですよね。
コンクリートの階段を登れば、タンタンタンと音が響く。
鉄の扉は「きぃぃぃ」と高い音を立てて開く。
お隣さんとすれ違えば、つい立ち話が始まる踊り場。
そんな日々の風景に、思い出が詰まっている人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな「団地」を舞台にした作品──『Danchi Days』の体験版レポートをお届けします。
どんなゲームなの?

タイトル:『Danchi Days』
ジャンル:アドベンチャー
開発:sandy powder、mogumu、Melos Han-Tani
販売:Analgesic Productions
プラットフォーム:Steam
発売時期:2026年予定
価格:未定
『Danchi Days』は、レトロなドット絵で描かれた団地を舞台に、活気を取り戻すために行動するアドベンチャーゲームです。
グラフィックは、ゲームボーイアドバンスを思い出させるような懐かしい雰囲気。表情豊かな登場人物たちが魅力的な作品です。
おばあちゃんと団地に元気の灯をともそう!

7年前に住んでいた「トアル団地」へ、主人公ホシノは引っ越してきました。
けれどそこは、かつてのにぎわいを失い、人もまばらになってしまった静かな場所。
団地に暮らしていたおばあちゃんも、以前とはすっかり様子が変わっていました。
認知症が進み、言葉少なに過ごすおばあちゃん。

昔のように笑ったり、話しかけたりする姿は、もう見られなくなっていました。
そんなある日、ホシノはお父さんから、昔この団地で「夏祭り」が開かれていたことを聞きます。
その瞬間、普段ほとんど反応のないおばあちゃんが、ふと目を輝かせたのです。
——もう一度、あの夏祭りを開いたら、おばあちゃんの認知症がよくなるかもしれない。
小さな願いを胸に、ホシノは団地に再びにぎわいを取り戻そうと動き始めます。
この作品は、過去にGBAで発売された「さくらももこのウキウキカーニバル」に影響を受けており、全編ドット絵で描かれています。
温かみのある、優しいドット絵で作成された背景やキャラクター達は、子供のころにプレイしたゲームを思い出してノスタルジーな感傷にひたることができます。画面切り替えの演出もどこか懐かしさを感じるものになっており、昭和や平成初期のアニメを見ているような気持ちに。
しかしこの作品の魅力は「懐かしさ」だけではありません。
緻密なドット絵で表現されたキャラクター達は表情豊かで、特に会話中のバストアップキャラクター達は様々な喜怒哀楽を見せてくれます。

元のキャラクターデザインと相まって、それぞれの個性的な魅力をグッと引き出しており、プレイヤーを団地の世界に引き込んでくれます。
ちなみにゲーム内のフォントもドット絵で表現されていますが、設定でHDフォントに変更可能。
読みやすさを重視したい人にはうれしい仕様ですが、ドットフォントのレトロな味わいも捨てがたく、どちらを選ぶか悩ましくなってしまいます。
めざせ大成功!夏祭りの参加者、募集中!

主人公・ホシノの目標は、団地で夏祭りを開くこと。
でもそのためには、まず一緒に盛り上げてくれる住人を探し、参加してもらわなければなりません。
プレイヤーは、団地を歩き回って住人に声をかけ、夏祭りの参加者を少しずつ増やしていきます。
参加者が集まるごとに、お祭りの規模も大きくなり、団地ににぎわいが戻っていく——そんな物語が展開していきます。
ひとり、またひとりと参加者が集まるたびに、団地にかつての活気が戻っていく様子を体験できます。
プレイヤーは、団地に住む個性豊かな住人たちにチラシを配りながら、参加者を集めていきます。
とはいえ、一筋縄ではいきません。二つ返事で参加してくれる人もいれば、なかなか首を縦に振ってくれない人も。
それぞれの住人たちは、さまざまな悩みや事情を抱えているのです。

ホシノは、パソコンで情報を集めたり、実際に足を運んで話を聞いたりしながら、住人たちの悩みに寄り添っていきます。
また、団地のあちこちで「五感を研ぎ澄ます」ことでプレイできる、「五感ゲーム」と呼ばれるミニゲームも用意されています。
さまざまな感覚をテーマにしたミニゲームを通じて、住人の悩みを解決したり、物語を先に進めたりすることができます。
「五感ゲーム」はバリエーションも豊富で、ちょっとした息抜きとしても楽しめる要素のひとつです。
ホシノと歩いた、もうひとつの団地の記憶

当サイトのコンセプトである「癒しとノスタルジー」、そして「ドット絵ゲーム」。
この二つの軸にまさにぴったりの作品として、『Danchi Days』は公開前からとても楽しみにしていたタイトルのひとつでした。
さらに、題材は“団地”。
私自身、団地に住んだ経験はありませんが、幼いころよく遊びに行った友人の家が団地にあり、その記憶はいまも鮮やかに残っています。
玄関前の踊り場で交わした小さな会話。
コンクリートの階段を駆け下りるときのタンタンという足音。
どこかの部屋から聞こえてくる夕方のピアノの音色。
『Danchi Days』をプレイしていると、そのひとつひとつが自然とよみがえってきて、懐かしさに包まれながらも、どこか新しい感情が芽生えていくのを感じました。
このゲームは、団地という場所を過度に美化したり、ノスタルジーだけに頼ったりするのではなく、今そこにある団地の“現実”を、ドット絵というやわらかな表現で丁寧に描き出しています。
すこしファンタジーで夢のある要素と団地のリアルな今が合わさることで、温かみを感じつつも、興味深い物語になっていると感じました。

主人公のホシノは、そんな団地と真正面から向き合い、少しずつ失われていく賑わいの中に、小さな明かりを灯していきます。
彼女の真っすぐさや、住人との触れ合いはとても温かく、思わず応援したくなる存在でした。気がつけば、時間を忘れて彼女と一緒に団地を巡っていました。
住民たちはどの人も個性豊かで、「あっ、こういう人、いたなあ」と思わせてくれるリアリティがあります。
中でも印象的だったのは、住民それぞれが運営している「ホームページ」。

趣味や人生観など、読むほどにその人物像が立体的に浮かび上がってきます。
こうした細かな情報が、物語の理解や没入感をぐっと深めてくれるのです。
私が特に好きな住民は、「トイダさん」。

井戸端会議が大好きなおばちゃん。
マシンガントークでずーっと喋ってて、少し変わっていますが、実はいい人なんですよね。
しかも井戸端会議を、「信念」をもってやっていて素敵なんです!
どんな小さなことにも信念をもってやる人は魅力的ですよね。
また、「五感ゲーム」と呼ばれるミニゲームも本作の魅力のひとつ。
種類も豊富で、どれも短時間で遊べるのに、つい何度も挑戦したくなる不思議な中毒性があります。
スコアに応じて金・銀・銅の星がもらえ、集めた星によって解放される要素もあるため、つい「もう一回だけ…」と夢中になってしまいました。
団地の魅力を、もう一度。

「癒しとノスタルジー」、そして「ドット絵」。
そのどちらもを丁寧に包み込んだ『Danchi Days』は、当サイトの読者の皆さんにこそ、ぜひ触れてほしい一作です。
現代の団地は、高齢化や空き家の増加、老朽化による安全面の不安など、さまざまな課題を抱えています。
そんな中で本作は、団地が本来持つ魅力をあらためて伝え、静かに活性化への希望を灯しているようにも感じました。
ゲームでありながら、社会にやさしく寄り添うような作品。
それは、私にとってまさに理想的なゲームのかたちでもあります。
どうかあなたも、団地という風景にもう一度あたたかな光が灯ろうとする、そのはじまりを、体験版で感じてみてください。
そして本作は、まだ発売前の作品。気になった方は、ぜひウィッシュリストへの登録もお忘れなく!
引用・参考情報について
本記事で使用したスクリーンショットおよび情報は、以下に基づいております。
スクリーンショット: 『Danchi Days』の体験版プレイ映像・公式プレスキットより取得
ゲーム仕様・特徴: 『Danchi Days』の公式Steamページを参考
Copyright © sandy powder, mogumu, Melos Han-Tani. Published by Analgesic Productions.
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本記事は『Danchi Days』の魅力を紹介する目的で作成されており、広告を含む収益モデルのもと運営されるサイト内コンテンツの一部です。
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ライター/ねりけし
ピクセルアート(ドット絵)ゲームプレイ歴20年以上。
Vtuberの下で2年間、動画作成とプロモーションを学ぶ。
最近インディーゲームの魅力に気付いて沼にハマる。

