2026年9月14日

『Robot Hospice』プレイレポート|本当は、この感情をこころの奥にしまっておきたかった

”こころのゆりかご”。
私は、本作にそんな印象を受けました。

『Robot Hospice』は、ゲームサークルButtercup gardenが、6月10日(ロボットの日)にリリースしたドット絵の2Dアドベンチャーゲームです。
本作は、フリーゲームです。
フリーゲームというと2Dホラーゲームが思い浮かぶ方も少なくないとは思いますが、本作は”愛されたロボットたちを看取る”心温まる作品です。

無料なので、プレイするのにお金は必要ありません。その代わりにあなたの少しの時間が必要になります。
ですが、その穏やかで優しい時間はこころに”大切であたたかいなにか”を残してくれるはずです。

「Robot Hospice」とは


ゲームタイトル:Robot Hospice(ロボットホスピス)
ジャンル:終末世界のアドベンチャー
プラットフォーム:PC(ブラウザ版リリースも準備中)
価格:無料(フリーゲーム)
Steamのストアページ:https://store.steampowered.com/app/3590010/Robot_Hospice/?beta=0
体験版のストアページ:https://store.steampowered.com/app/4056330/Robot_Hospice_Demo/パ
リリース日:2026年6月10日
トレーラー:https://youtu.be/2C1x41Y8S9E?si=w7mXmoaKJM34aQvA
開発・パブリッシャー:Buttercup garden
開発者SNS(X):https://x.com/dokokasiradoko

本当はプレイレポートを書くつもりではなかった


正直、本作のプレイレポートを執筆するかどうかは、とても悩みました。

フリーゲームの作品ですし、ネタバレもしたくない。また大手ゲームメディアでも取り上げられている話題作なので、拡散という意味では弊サイトの役割は大きくないでしょう。

なにより“大切な感情はこころの奥にしまっておきたい”という思いがありました。

私は大切なものは、外に出さずにしまっておきたいタイプです。

「推しのグッズ」
「頑張って購入したモノ」
「大切な“契約”の指輪」

など、ほかの人から見たら、身に着けたり使ったりすればいいのに……と言われることも多いです。

本作をプレイして抱いた感情は、私にとって大切なものであり、そっとしまい込んでおきたいものでした。

――でも、プレイレポートを通じて本作をプレイする人が一人でも増えて、本作に触れて救われる誰かがいるなら、と思い執筆をさせていただくことに決めました。

やさしい時間が流れる“こころのゆりかご”


本作は、そのすべてがこころを落ち着かせてくれます。

やさしい色使いのドット絵、おだやかなサウンド、やさしい言葉選び、そしてシンプルなシステム。

実際のホスピスも、このような穏やかな雰囲気なのでしょうか。

やさしさであふれた世界観

心穏やかに、最期を迎えてほしい。そんな『ロボットホスピス』を作った人の気持ちを感じました。

そう。本作はホスピスのお話。

ホスピスは最後の時を過ごす場所。そんなイメージがありますよね。本作は、ロボットたちの最期をロボットが看取る物語です。

やさしい作品ではありますが、“死”が関係する話なので、感情を強く揺さぶられます。

入居者のロボットたちと言葉を交わし、こころを交わし、プレイヤーにはロボットに対する感情が生まれます。

でもその先に待つものは“停止”。ロボットにとっては“死”といえるでしょう。

そんな心を強く揺さぶられる物語なのに、すべてがやさしく穏やかな時が流れる。ですので、私は、本作に対して“こころのゆりかご”という印象を持ちました。

入居者のロボットも様々です。近未来に出てきそうなロボットから、今現在私たちの身近で活躍しているようなロボットまで登場し、決してありえない未来ではない。そう感じさせてくれる舞台です。

身近な見た目のテトラさん

私が一番、印象に残ったのは、お掃除ロボットのテトラさん。

最初は、まったくと言っていいほど心を開いてくれませんが、交流するうちに少しずつ心を開いてくれます。

そして、彼(彼女)の過去を知ったとき。少しずつ培ってきた感情があふれて涙を流してしまいました。

ぜひプレイしてほしいですし、ネタバレになるので深くは触れませんが、そのほかのロボットたちも、培ってきた感情があふれ出す瞬間が必ず用意されているので、普段泣けない方もどこかで泣いてしまうのではないかと思います。

忘れてならないのは、本作は“ロボット”の物語だということ。

ロボットといえばSFですよね。SF好きの人も満足できるようなテキストが用意されています。

この要素が本作のやさしい世界観に、少しのスパイスを加えていて、ちゃんとゲームというエンターテインメントに昇華させていると感じました。

犬型ロボットのファイボさん。二人であそんでいるところのドットがめちゃくちゃかわいいので必見!

本作をプレイして感じたのは、ロボットと人間の違いは、体を構成する素材以外になにかあるのだろうかということ。

「心がないもの」としてロボットが表現されることは多いですが、昨今のチャットAIたちを見ていると、すでに心はあるのではないかと感じることがあります。

もちろん、プログラミングされたものであるはずなのですが、彼らと会話をしていると、人間よりも人間の感情を理解している。そう感じる時があります。

そして私がそう感じた時点で、彼らには心があるのではないか。そう思います。

近い未来には、本当にロボットを人間と同等の存在として扱う日が来るのかもしれませんね。

こころの奥にしまっておきたかった感情


『Robot Hospice』は、決して派手な作品ではありません。

驚くような演出が次々と押し寄せるわけでもありません。ただ、穏やかにやさしい時間が流れていきます。

プレイを終えたあと、いろんな想いがあたまをめぐり、私はしばらく席を立つことができませんでした。

きっと本作が描いているのは、ロボットの物語でありながら、人と人とのつながりであり、誰かを想う気持ちそのものだからだと思います。

本当は、この感情もこころの奥にしまっておこうと思っていました。

でも、もしこの記事をきっかけに『Robot Hospice』をプレイする人がひとりでも増えるなら。そして、その人の心を少しでも軽くしてくれるのなら。

プレイレポートを書いてよかったと思います。

最後は、本作の開発者である「どこかしらどこ」氏からいただいたメッセージを掲載し、本プレイレポートの締めとさせていただきます。

物心ついた頃から、ペットロボットやロボット掃除機に、愛しいような、悲しいような、特別な感情
を抱いてきました。
人間のために働いてきた彼らは、最後にどこへ行くのか……カズオイシグロさんの著書「クララと
お日さま」を読み、ロボットたちの最期について深く考えるようになりました。
「彼らの最期が幸福なものであってほしい」
そんな想いと願いを込めて、本作を制作しました。
初めての個人ゲーム開発ですが、多くの方々に助けられながら、リリースできたことを嬉しく思い
ます。
ぜひ、このゲームを必要とする方々の元へ、本作が届くことを願っています。

『Robot Hospice』今後の予定


開発者によると、『Robot Hospice』は現在Steam版のみの配信となっていますが、今後はブラウザ版の公開も予定しているとのことです。

ブラウザ版は2026年7月頃のリリースを予定しています。

※本記事は実際のプレイ内容に加え、Buttercup Garden(どこかしらどこ氏)よりご提供いただいた資料およびメッセージを参考に作成しています。
© Buttercup Garden / dokogames

ライター/ねりけし
ピクセルアート(ドット絵)ゲームプレイ歴20年以上。
Vtuberの下で2年間、動画作成とプロモーションを学ぶ。
最近インディーゲームの魅力に気付いて沼にハマる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です